WEBコンサルタント
「ターゲットごとに、分かりやすい入口はありますか?」―Webの特性を生かしたターゲット別集客戦略―
「ターゲットごとに、分かりやすい入口はありますか?」
―Webの特性を生かしたターゲット別集客戦略―
(クリエイティブホープ Webコンサルティング事業部 田邉)
―――――――――――――――――――――――――――――――――
近年では、カラオケルームの用途も汎用化し、カラオケに限らず、二次会、パーティー、女子会、オフ会、趣味サークルからビジネス会議まで、そのターゲットは広がっています。一方で、これらの対象となる顧客は、学生・OL・シニア・ビジネスパーソンなど全く異なるものになっており、それぞれに違ったサービス説明が必要になってきます。
また、塾や通信教育をはじめとする教育サービス業界でいえば、幼児教育、小学校、中学校、高校、大学受験、社会人教育、語学教育などのターゲットが挙げられます。対象となる顧客は小中高の各学年・大学受験生・社会人などとなっており、こちらもそれぞれに違ったサービス説明が必要です。
Webサイトを作る際に、統一サイトとしてすべてのターゲットに向けてコンテンツを網羅的に配置した「総合サイト」的な設計をイメージされることも多いと思います。体系的にコンテンツを見せることができることと、複数のターゲットが同じページに来るためPVも大きくなる傾向にあり、サイトに訪れた人数をサイトの成果指標として捉えると、効果の高いWebサイトということも言えるかもしれません。
こうしたインデックスページも全く不要と言うわけではありませんが、Webサイトの成果を実際に商品やサービスを購入するといった"コンバージョン"に置くと、課題も見えてきます。対象ごとにかなりニーズが異なるため、列挙されたサービスの中に埋もれてしまい、欲しい情報が得られず不満につながりかねないのです。
さらに、注意したいのが、「総合サイト」にしたため、各サービスのページが概要紹介にとどまってしまうようなケースです。これではせっかくサイトを訪れたユーザも、必要とするコンテンツが不十分なため、内容をつかめないまま帰ってしまい、Webページの離脱を増やす原因にもなります。
こうしたケースでは、「総合サイト」型の設計ではなく、ターゲットごとに複数・個別の「入口」を用意し、ターゲットに合ったコンテンツを拡充することが重要になります。例えば、カラオケルームを会議室として提供する場合には、競合となるのは、貸会議室サービスになるため、「貸会議室 新宿」のような検索でヒットすることが大切になってくるのです。
こうした、複数のターゲットに対して個別のトップページを用意するサイト設計を「マルチエントランス構造」と言います。
この構造は、検索エンジン対策上も有効です。Webサイトはユーザが検索エンジンでキーワードを入力し、探してくる"プル型"のメディア特性を持っています。網羅的な「総合サイト」に異なるニーズを持つユーザを集めることは、SEOの観点から見ると1ページ当たりのキーワードが多く、キーワードが"薄まる"ため、検索結果の順位も上がりづらくなり、各入口への流入が乏しくなってしまいます。
(一つの考え方として、1ページにつき1キーワードとも言われます)
また、同様に、広告を打つ際にも「マルチエントランス構造」は有効です。複数のターゲットを対象にしている場合には、「総合サイト」1ページに対してSEO対策やリスティング広告予算を投下するよりは、同じ予算を個々の入り口(サービスサイト)に投下したほうが効果的になります。
予算の制約からすべてのページを一気に、というわけにはいかないかもしれませんが、複数のターゲットを対象とするビジネスでは、ターゲットを明確化し、ここに異なる「入口」を用意し、来訪者が充分納得するだけの情報量を得られるようコンテンツを拡充していくことが重要になります。
そして、それぞれの「入口」に合わせて集客対策を行うことで、効果的に流入を増やしていくことができるのです。
トラックバック(0)
このブログ記事を参照しているブログ一覧: 「ターゲットごとに、分かりやすい入口はありますか?」―Webの特性を生かしたターゲット別集客戦略―
このブログ記事に対するトラックバックURL: http://blog.creativehope.co.jp/mt/mt-tb.cgi/380