炎上と正義心 1
このたび、宣伝会議社から発行されている雑誌「広報会議」さんより取材をうけました。取材内容は企業とCGMの関わりについて・・・といったところです。お時間に余裕がある方は、ぜひ本誌8月号を見てください。
http://www.sendenkaigi.com/hanbai/magazine/kouhoukaigi/index_0908.html#article_01
本誌においても説明はしているのですが、企業はネット炎上を恐れています。一定規模以上の企業であれば主にその責務を広報が負うのであろうが、ひとつ理解してもらいたい。
ネット炎上の火種は、そもそもネットから限定で生まれるわけではない
その炎上の火種はテレビで過去の犯罪を悪びれる様子もなく語ったりであるとか、ラジオで差別的な発言を発信したりであるとか、雑誌で根拠のない悪意を誰かに向けるであるだとか、なにもネットから火種をまき散らすわけではないのだ。そもそも広告であれプレスリリースであれ、情報を発信した時点で炎上になる可能性は存在するのだ。
もっとも炎上になりやすい話題というのもがある。
言論の自由があるのだから、本来であれば法に触れない範囲で自由に主張すればいいと思うのだが、企業となるとそうもいかないだろう。
炎上になりやすい話題
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犯罪
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モラルに反すること
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宗教・政治的な対立に関すること
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やらせ行為
私が思うに、ネットの世界って、もしくは世の中って捨てたものじゃないなと炎上につながりやすい話題4点を見て思ってしまう。なぜなら閲覧した人間が正義感から火の手を上げるのだから。
もっとも悪ふざけやノリで、その炎上に加わっている人たちもいるだろうが、多くは正義心によって、その炎の輪に参加しているのではなかろうか。
あるタレントのブログに、本人が殺人事件の犯人であるかのような誹謗中傷を書き込んだということで、17~45歳の男女計18人が名誉棄損や脅迫の疑いで書類送検されたケースがある。書類送検された彼・彼女らははたして、悪ふざけで、そのような書き込みを行っていたのだろうか?濡れ衣を着せられ追いつめられた被害者のタレントには、ご同情申し上げる。
しかし、この被害者であるタレントを追いつめた18名、彼らはノリや遊びといった意識を持ってタレントを攻撃したのであろうか?彼・彼女らはのコメントは、タレントを犯人だと思い込んでそのような書き込みを行ってしまったとコメントしている。
彼・彼女らは、正義感ゆえに行動を起こしてしまったということができる。その彼ら彼女らは、得た情報ソースの真偽を確かめず、行動したがゆえの報いも受けてしまった。この出来事は、被害者加害者含め多くの人にとって不幸としか言いようがない。しかし、この正義心、場合によっては短絡的な正義心が炎上の源の1つであると私は考える。
良かれ悪かれという言葉がついてしまうが、ある種正義があふれるネットは、捨てたものではないと思う。 つづく
原田学史
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正義心から火がつけられる とは面白い視点ですね。
良く考えてみると、確かに、「炎上」の火の元はテレビ等にもありますよね。
ブログというのはただのインフラでしかなく、結局は炎上なんてその情報次第ってことですね。この場合、そこに載せるコンテンツって考えてもいいのかもしれないですね。
結局は基本的な倫理に則ったガイドラインに基づけばその可能性は下げられるってことか、、、確かにそうかも!なるほど!
fugooさん、こんにちは。
すべての炎上や、その参加者が・・・とは言いませんが、炎上はある種の正義心が働いていると思っています。
これからもよろしくです。
通りすがりのマーケターさん
コメントありがとうございます。
これからの時代、企業はユーザーとの対応のためガイドラインは必須だと考えます。ユーザーと一緒に取り組む・前進する→そのためにコミュニケーションが必要!→そのためのガイドラインです。
いつも興味深く読ませてもらっています。
広報会議記事もさながらweb界のムーアといった様相で大変好感がもてました。今回の炎上に関しても、メタ法価値論が織り交ぜられており、遊び心に緻密で真摯な思考が内包されており信頼出来ます。
私が思うに、炎上とは、人が、脳科学上5つに分類される欲求願望(生理的・愛情的・安全・自他認知・理想)を無意識的に均衡を保とうとする過程において、webが充当するツールになりはじめた為、原田さんがご指摘したトリガーにおいて起こりうるのではないでしょうか。
山崎さん、ご意見ありがとうございます。Web界のムーアなんてとんでもないかと。Web界のシベリア超特急になれれば幸いです。